外壁の全面打診は10年に1度|足場なしで調べるドローン赤外線

打診棒を使って外壁を打診調査している様子
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外壁調査

外壁の全面打診は10年に1度|
足場なしで調べるドローン赤外線

2026年07月21日(更新: 2026年10月26日)

タイルやモルタルで仕上げた外壁は、おおむね10年に一度、全面的な打診等による調査が求められます。手の届かない高所まで人が叩いて回るには足場やゴンドラが必要で、建物によっては仮設費だけで数百万円規模になります。

この「全面的な調査」の方法として、令和4年1月18日公布・同年4月1日施行の告示改正により、打診以外の調査方法として、無人航空機(ドローン)による赤外線調査であって、テストハンマーによる打診と同等以上の精度を有するものが明確化されました。足場を組まずに全面を記録できます。

この記事では、まずご自身の建物が対象かどうかを整理したうえで、打診・赤外線・ドローンの3つの方法を費用・工期・精度・建築基準法第12条への対応で比較します。

あなたの建物は、全面打診の対象かもしれません

次のいずれかに当てはまる場合、全面的な調査が必要な時期に入っている可能性があります。

  • 前回の全面打診(または全面的な調査)から10年近く経っている
  • 竣工または外壁の改修から10年、20年、30年の節目を迎える
  • 大規模修繕(おおむね12〜15年周期)の検討を始めた
  • 定期報告の際に「全面打診が必要」と指摘された
  • 外壁がタイル貼り、またはモルタル等の湿式仕上げである

対象かどうかは建物の用途・規模・所在する自治体によって変わります。とくに共同住宅が定期報告の対象用途に指定されていない自治体(横浜市・川崎市など)では、東京23区とは前提が異なります。判断に迷う場合は、所管の特定行政庁(建築指導課)にご確認ください。

「全面打診」とは何か

タイル・石貼り・モルタルなどの外装仕上材については、平成20年国土交通省告示第282号により、おおむね10年に一度、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分について全面的な打診等を行うことが定められています。

ポイントは「全面」という点です。3年ごとの定期報告では目視や手の届く範囲の打診で足りる場合がありますが、10年の節目には危害を加えるおそれのある範囲を余さず調べる回が来ます。ここが、通常の定期調査といちばん大きく違うところです。

なお、この義務が生じるかどうかと、外壁が健全かどうかは別の話です。義務の対象外であっても、タイルやモルタルが落下して通行人に被害が出れば、建物所有者・管理組合の管理責任(民法717条の工作物責任)が問われます。

足場を組むと、何にいくらかかるのか

全面打診の費用が読みにくいのは、調査そのものより仮設にお金がかかる構造だからです。

  • 足場の設置・解体:建物全面を囲うため、外壁面積に比例して増える。建物によっては仮設費だけで数百万円規模になる
  • 養生・防犯対策:足場があると外部から侵入しやすくなるため、メッシュシートや警備の費用が加わる
  • 工期:設置から解体まで数週間〜数か月。その間、バルコニーの使用や洗濯物の干し方に制約が出る
  • 居住者への影響:窓の目隠し、来訪者の動線、駐車場の一部使用不可など、生活面の調整が発生する

ゴンドラやロープアクセスを使えば足場は不要ですが、こちらも建物の形状によっては設置できない面が出ます。「調査費用」として見積書に並ぶ金額の多くは、外壁を見るためではなく、人が外壁に近づくための費用だと考えると分かりやすくなります。

ドローンによる調査が費用を下げられるのは、精度を落としているからではなく、この「近づくための費用」がほぼゼロになるからです。

外壁調査の主な3つの方法

① 打診調査(テストハンマーによる打診)

テストハンマーや打診棒で外壁を叩き、その反発音の違いから浮きや剥離を判定する、もっとも歴史のある方法です。手の届く範囲は目視・触診で、高所は足場・ゴンドラ・ロープアクセスを使って人が直接打診します。

  • メリット:判定基準が確立しており信頼性が高い。仕上げ材の種類を問わない。
  • デメリット:足場やゴンドラの設置コスト・工期がかかる。高所作業に伴う安全リスク。天候の影響を受けやすい。

② 赤外線調査(赤外線サーモグラフィ)

赤外線カメラで外壁の表面温度分布を撮影し、浮き部と健全部の温度差から劣化を検出する方法です。地上(三脚)から撮影する方式と、後述のドローンに赤外線カメラを搭載する方式があります。壁に触れずに調査できるため、足場が不要なのが大きな特徴です。

  • メリット:非接触で足場不要。広い面を一度に撮影でき、短工期・低コストになりやすい。
  • デメリット:天候・日射・時間帯など撮影条件の影響を受ける。地上からの撮影では、高層階や入り組んだ形状は死角ができやすい。

③ ドローンによる外壁調査(赤外線+高解像度可視光)

赤外線カメラと高解像度の可視光カメラを搭載したドローンを飛行させ、外壁を上空・近接から撮影する方法です。赤外線で「浮き」の疑いを検出し、同じ箇所を可視光で「ひび割れ・欠損」まで確認します。足場が不要なうえ、高層階や地上から見えにくい面も真正面から撮影できるのが強みです。

  • メリット:足場不要で高所も安全・短工期。赤外線と可視光の二重データで客観的に評価。地上式赤外線の死角を大幅に低減。
  • デメリット:飛行の許可・承認や周辺への配慮が必要。強風・降雨時は飛行できない。飛行が難しい立地(空港周辺など)では制約がある。

3つの方法を比較【一覧表】

比較項目打診調査赤外線調査(地上)ドローン調査
足場・ゴンドラ原則必要不要不要
費用感(目安)高め(足場費が大きい)中低〜中
工期長い(設営・撤去含む)短い短い(最短1日)
高所・死角への強さ◎(直接触れる)△(角度・距離の制約)◎(真正面から近接撮影)
分かること浮き・剥離浮きの疑い(温度差)浮きの疑い+ひび割れ・欠損
天候の影響受けにくい受けやすい受けやすい(強風・雨は不可)
建築基準法12条対応対応対応対応
向いている建物小規模・低層、確実性重視中規模、平滑な壁面中〜大規模、高層・複雑形状
※費用・工期は建物の規模や形状、立地により変動します。実際は現地条件に応じて手法を組み合わせるケースもあります。

建物・目的別の選び方

どの方法にも得意・不得意があり、「これが唯一の正解」というものはありません。目安として次のように整理できます。

  • 小規模・低層で、とにかく確実性を重視したい → 打診調査(部分打診+必要箇所の全面打診)
  • 足場コストを抑えたい・平滑な壁面が中心 → 赤外線調査
  • 中〜大規模、高層、バルコニーや凹凸で足場・ゴンドラが大がかりになる → ドローン調査(赤外線+可視光)
  • コストと調査品質を両立したい → ドローンで全面を効率的に撮影し、疑わしい箇所のみ打診で確定、という組み合わせも有効

特に大規模修繕の検討段階では、足場を組む前にドローンで建物全体の状態を把握しておくと、修繕範囲や概算費用の精度が上がり、無駄な足場コストを避けやすくなります。

ドローンで撮影できない面は、どうするのか

ここは正直にお伝えしておきたい部分です。ドローンだけで外壁の全面を必ず撮り切れるわけではありません。隣地との距離が取れない面、庇やバルコニーの下、電線が近い面などは、機体を寄せられないことがあります。また外壁の仕上げによっては、赤外線で浮きを判定しきれない場合もあります。ラスタータイルのように表面の凹凸が大きい仕上げがその例です。

当社は、ドローンで撮影できない面や赤外線で判定しきれない箇所を、ロープアクセス等による打診で調査範囲としてカバーします(この面は別途お見積り)。全面をドローンで済ませるのではなく、ドローンで済む範囲はドローンで、それ以外は人が打診するという切り分けです。全面をロープアクセスで打診する場合と比べれば、費用は大きく下がります。

「ドローンで撮れるところだけ撮って報告書にする」やり方では、全面調査として成立しません。見積りを比較される際は、撮影できない面をどう扱うかを各社に確認されることをおすすめします。

ドローン外壁調査が選ばれる理由

当社Withnology(ウィズノロジー)では、赤外線と高解像度可視光を組み合わせたドローンによる赤外線外壁調査を提供しています。

  • 料金は外壁の面積に応じた基本調査費で、最低調査費は1件30万円(税抜・諸経費10%別)。140円/㎡〜は8,000㎡以上の場合の目安です。足場を組まないため、足場をかけて打診する方法より、費用と日数を抑えられます。
  • 建築基準法第12条の定期報告に対応。調査は当社が実施し、報告書の調査者として特定建築物調査員が署名します。
  • 自社開発の解析・報告書システム「WALLNOTE」により、報告書は外壁面積1,000㎡以下なら最短3営業日、3,000㎡程度なら1〜2週間ほどで納品。
  • 一等無人航空機操縦士・赤外線建物診断技能師の有資格者が調査を担当します。使用する機体には対人・対物の賠償責任保険が付保されています。飛行に必要な許可・承認は当社が取得します。

東京都渋谷区を拠点に、東京都内を中心として全国のマンション・ビルの外壁調査に対応しています。

まとめ

外壁調査の「打診・赤外線・ドローン」は、それぞれに向いている建物と目的があります。小規模で確実性重視なら打診、足場コストを抑えたいなら赤外線、高層・大規模で効率と安全を両立したいならドローン、という整理が目安です。迷ったときは、まずドローンで全体を把握し、必要箇所を打診で確定する組み合わせが、コストと品質のバランスに優れます。

外壁調査の方法選びや費用について、ドローン外壁調査サービスのページもあわせてご覧ください。ご相談・お見積りは無料です。

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よくある質問

赤外線調査とドローン調査は何が違うのですか?
赤外線調査は「赤外線カメラで浮きを検出する手法」を指し、その撮影を地上から行うか、ドローンに搭載して行うかの違いがあります。ドローンに搭載すると、地上からでは死角になる高所や入り組んだ面も真正面から撮影でき、さらに可視光カメラでひび割れまで確認できます。
ドローン調査だけで建築基準法12条の報告に使えますか?
令和4年の告示改正で、打診以外の調査方法として、無人航空機による赤外線調査であって、テストハンマーによる打診と同等以上の精度を有するものが明確化されています。ただし、赤外線では判定が難しい箇所は打診で補うなど、建物の条件に応じた判断が必要です。定期報告に使う場合は、調査は当社が実施し、報告書の調査者として特定建築物調査員が署名します。調査計画の段階からご相談ください。
外壁調査の費用はどのくらいかかりますか?
建物の規模・形状・立地により変わりますが、当社のドローン赤外線外壁調査は、面積に応じた基本調査費で、1件30万円(税抜)からご案内しています(税抜・諸経費10%別・関東圏内の目安。140円/㎡〜は8,000㎡以上の場合)。調査面積と立面図が分かれば、最短即日でお見積りをご提示します。
雨や風の日でも外壁調査はできますか?
赤外線・ドローンいずれも、強風・降雨時は精度確保や安全の観点から実施できません。天候を見て日程を調整します。打診調査は天候の影響を受けにくい手法です。
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