12条点検でドローン赤外線調査は使える?根拠と条件

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外壁調査

12条点検でドローン赤外線調査は使える?根拠と条件

2026年07月28日(更新: 2026年10月26日)

「竣工から10年を超えたので、12条点検で外壁の全面打診を求められた。足場を組むと費用も大きいが、ドローンの赤外線調査で調べられないか」——管理組合や管理会社から寄せられるご相談の一つです。結論から申し上げると、テストハンマーによる打診と同等以上の精度を確保できれば、赤外線調査(ドローン搭載を含む)は打診以外の調査方法として使える場合があります。本記事では、その根拠と条件、そして打診で補うべきケースを、ドローン赤外線調査を行う立場から整理します。

建築基準法第12条の定期報告と「全面打診」とは

建築基準法第12条は、国が政令で定める建築物と、特定行政庁が地域の実情に応じて定める建築物(特定建築物)について、所有者・管理者が資格者(特定建築物調査員など)に調査させ、その結果を定期的に行政へ報告することを求める制度です。マンションでは共同住宅の規模等により対象となる場合があります。

この定期調査のうち外壁については、竣工・外壁改修・全面打診等の実施から一定期間(おおむね10年)を超えた場合に、落下により歩行者等へ危害を及ぼすおそれのある部分のタイル・モルタル等について、原則として「全面打診等」が必要とされています。根拠は平成20年の国土交通省告示など一連の規定で、細部の運用は特定行政庁により異なります。

赤外線・ドローンが「打診と同等以上」として使える根拠

ポイントは「全面打診等」という表現です。この「等」には、打診と同等以上の精度が確保できる手段としての赤外線装置による調査が含まれると解されてきました。令和4年1月18日に公布され同年4月1日に施行された告示改正では、無人航空機(ドローン)による赤外線調査のうち、テストハンマーによる打診と同等以上の精度を有するものが、打診以外の調査方法として明確化されました。同等以上かどうかの判定には、日本建築防災協会が設置した委員会がまとめたガイドラインを参照します。これを受けて、足場や高所作業が難しい建物での活用が進んでいます。

ただし、赤外線ならいつでも使えるわけではありません。赤外線調査は、仕上げ材の内部に生じた浮きを表面温度の差として検出する方法で、赤外線調査の仕組みのとおり、温度差が生じる条件が整って初めて有効に機能します。具体的な適用可否は、最新の国交省告示・通知と、報告先である特定行政庁の運用を必ずご確認ください。

赤外線・ドローン調査が有効に機能する条件

実務上、以下の条件が満たされる面では、赤外線調査を使いやすくなります。逆に条件を欠く面は、精度が担保できず、赤外線調査が使えない場合があります。

観点望ましい条件不向き・要注意な状況
気象・時間帯日射があり外壁面に十分な温度差が生じる時間帯曇天・雨天直後、温度差が出にくい面
対象面の状態乾いていて著しい汚れ・付着物がない濡れている、塗膜浮き・広範な汚損がある
撮影距離・角度適切な距離と正対に近い角度で撮影できる入隅・庇下・機器で正対撮影できない部位
ドローン運用飛行の安全と許可承認が確保できる電波障害・強風・近接物で安全飛行が困難

北面や日陰、庇下、バルコニー内部など温度差が出にくい部位は、赤外線での判定が難しくなります。方法ごとの向き不向きは外壁調査方法の比較もあわせてご確認ください。

報告書に必要な項目と、打診で補うべきケース

定期報告に用いる調査では、調査年月日・調査者と資格、対象範囲、使用機材、撮影条件(気象・時間帯・距離)、判定結果と根拠、打診以外の方法を用いた理由などを整理し、行政の様式に沿って記録することが求められます。

そのうえで、赤外線で条件を満たせない面や判定が困難な部位については、部分的な打診や高所作業による直接確認で補完し、建物全体として漏れのない調査とすることが実務上の要点です。当社ではドローン赤外線と打診を組み合わせて調査し、報告書を作成します。12条の定期報告では、調査は当社が実施し、報告書の調査者として特定建築物調査員が署名します。詳しくはドローン赤外線外壁調査サービスをご覧ください。

学校・庁舎などの公共施設で外壁調査を発注する立場の方は、学校・公共施設の外壁調査【2026年】で、費用の内訳や発注仕様書の要点もまとめています。

12条点検の外壁の全面調査に、ドローン赤外線調査をご検討中の管理組合・管理会社様へ。当社は一等無人航空機操縦士・赤外線建物診断技能師が対応します。飛行に必要な許可・承認は当社が取得し、使用する機体には対人・対物の賠償責任保険が付保されています。建物の条件から、赤外線調査を使えるかの見立てとお見積りを無料でご案内しますので、まずはお問い合わせください。

よくある質問

12条点検の外壁の全面調査は、必ずドローン赤外線調査でできますか?
必ずではありません。告示にいう「全面打診等」には打診と同等以上の精度を確保できる赤外線調査が含まれ得ますが、温度差が生じる撮影条件や対象面の状態など一定の要件を満たす必要があります。適用可否は最新の国土交通省の告示・通知と、報告先の特定行政庁の運用によって判断されます。
赤外線で判定できない面はどう扱いますか?
北面や日陰、庇下、入隅、温度差が出にくい部位などは赤外線での判定が難しくなります。こうした面は部分的な打診や高所作業による直接確認で補完し、建物全体として漏れのない調査に仕上げます。
どんな資格者が調査すれば定期報告に使えますか?
定期調査は、特定建築物調査員などの資格者が調査者となって行う必要があります。Withnologyの場合、調査は当社が実施し、報告書の調査者として特定建築物調査員が署名します。ドローンの飛行は一等無人航空機操縦士、赤外線の解析は赤外線建物診断技能師が担当し、飛行に必要な許可・承認は当社が取得し、使用する機体には対人・対物の賠償責任保険が付保されています。
報告書にはどんな項目が必要ですか?
調査年月日・調査者と資格、対象範囲、使用機材、撮影条件(気象・時間帯・距離)、判定結果とその根拠、打診以外の方法を用いた理由などを整理し、特定行政庁の様式に沿って記録します。詳細な様式は各行政庁の最新運用をご確認ください。
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