送電線・鉄塔のドローン点検|
空中延線で高所作業削減
山岳地に建つ鉄塔や長径間の送電線は、点検も延線工事も高所・不安定な足場での作業が避けられず、危険と工期の両面で大きな負担がかかります。近年はここにドローンを導入し、送電線・鉄塔の点検巡視、資材の空中輸送、そして鉄塔間へのガイドロープ架設(空中延線)を効率化する動きが広がっています。この記事では、送電インフラでドローンに何ができるのか、なかでも工事の起点となる空中延線を中心に、メリットと安全運用のポイントを整理します。
送電インフラの点検・工事が抱える課題
送電線や鉄塔は、山間部・河川渡河部・市街地上空など人が近づきにくい場所に架設されていることが多く、点検には高所作業車やヘリ、有人での昇塔が必要になります。工事の初期工程である延線でも、径間をまたいでロープを渡すために足場設置・多段階のロープ交換・地上人員の配置が求められ、天候や地形に工程が左右されがちです。高所作業や架線周りの作業は感電・墜落のリスクを伴い、少人数化・短工期化が長年の課題でした。
ドローンでできる3つのこと
送電インフラにおけるドローン活用は、大きく次の3つに整理できます。
- 点検・巡視:電線の素線切れ、がいし・金具の劣化、鉄塔の腐食やボルトの状態を、高解像度カメラやズームで近接撮影。昇塔せずに広範囲を短時間で確認できます。
- 資材の空中輸送:山岳地の鉄塔周りへ工具や部材を運搬し、人力搬送や仮設索道の手間を削減します。
- 空中延線:鉄塔間に太径のガイドロープを直接牽引・架設する、工事の起点となる工程です。ここが最も工期短縮に効きます。
点検の考え方は狭い空間を飛ぶ狭隘部点検とも共通し、人が入りにくい場所を安全に可視化する点で一貫しています。
主軸は「空中延線」——多段工程を省略する
Withnologyの送電インフラ支援で主軸に据えているのが、最大積載30〜80kg級の大型機を用いた太径ロープの空中延線です。従来はパイロットロープ(細い先導ロープ)を渡してから段階的に太いロープへ交換していく多段工程が一般的でしたが、大型カーゴドローンで太径ロープを直接牽引すれば、この中間工程を大幅に省略できます。結果として、地上足場ゼロ・少人数・短工期での延線が可能になり、河川や道路、既設線を横断する難易度の高い径間でも柔軟に対応できます。
実績として、2025年9月に山梨県内で5径間の空中延線を実施しました。山岳地形と複数径間という条件下でも、ドローンによる直接牽引で工程を圧縮できることを確認しています。
| 項目 | 従来工法 | ドローン空中延線 |
|---|---|---|
| 足場・仮設 | 径間ごとに必要 | 原則不要 |
| 作業人員 | 多人数 | 少人数 |
| 工期 | 長め・天候依存大 | 短縮しやすい |
| ロープ交換工程 | 多段階 | 太径を直接牽引で省略 |
安全運用と飛行の許可・承認
送電線周辺は電磁環境や第三者上空飛行など配慮すべき要素が多く、事前のリスクアセスメントと確実な機体運用が欠かせません。Withnologyは一等無人航空機操縦士が対応し、損害賠償保険に加入。許可・承認が必要な空域や飛行方法での飛行は、当社が許可・承認を取得して行います。東京都内を中心に全国で運用しています。点検データの活用は、外壁で用いる赤外線などの非破壊的な調査手法の考え方とも通じます。
まとめとご相談
送電線・鉄塔のドローン点検と空中延線は、高所作業を減らしながら工期と安全性を両立できる工法です。延線の起点をドローンで置き換えるだけでも、全体工程への波及効果は小さくありません。径間条件や現地の地形に応じた実施可否の判断も含めて、送電インフラ向けドローンサービスのページと合わせてご検討ください。具体的なご相談・お見積りはお問い合わせから無料で承ります。






